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膝関節置換手術時の説明で2割弱の患者がホントは理解をしていない
TKR(膝関節置換手術)の必要性、リスク、ベネフィットの理解において、患者と医療従事者で、その考えに相違がある。この違いは患者満足度に影響を与え、治療への傾倒に関わる。患者側が積極的に参加することは、OAや手術的介入に関して重要。
だが、OA患者はTKRについての助言について混乱し、当惑している事実が浮かび上がった。
OAのTKRについて説明後、医師が勧める治療法について納得がいってない患者は18%。
逆に言えば、この時点で正しく、医師・患者の共通認識ができているのは82%だということである。
"(Mis)Understanding in patient-health care provider communication about total knee replacement"
Arthritis Rheum 2009; 61: 100-107.
Street RL Jr., et al
自分の経験だが、肺年齢なるもの(
禁煙指導時に”肺年齢”を示した方が禁煙成功率アップ! 2008年 03月 07日)を積極的に使用した時期があった。だが、いろいろ説明しなければならない事が多く、診療所の医者がこれをやると、却って混乱や昏迷をもたらす可能性がある。
診療のため非常に忙しい時期に、COPD患者に、“90歳超”だと説明したところ、一族郎党押しかけてきて、「うちの父はもうすぐ死ぬということなのか」、「うちの父を年寄り扱いした」、「そんなこと言われる筋合いはない」、「つまらんことを父に告げるな」などと・・・と、激しく文句を言われたことがきっかけで、この“肺年齢”の説明、当方から自発的にすることはしていない。
背景に充分な余裕をもってないと、なかなか患者・医者関係というのは築けない。その余裕とは時間的余裕、制度的余裕、社会的余裕なのだろう。社会整備が整ってないのに、人的責任だけを追及する現行医療制度が、医者患者関係をぎくしゃくさせている一因だということは、役人・御用学者・マスコミは永遠に認めないだろうが・・・
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月10日 10時29分
心房細動:Virchow triadは今でも通用する
日経メディカルに同様の記事あるようだ。日経メディカルCadetto2008冬号
Virchowの三原則(Virchow's triad)は今日も生きている
血栓症を抑制するために抗血小板薬や抗凝固薬が用いられてきたが、治療を強化すると出血性障害が増加するというジレンマに悩まされてきた。この難問を解決する方法が模索されているが、後藤信哉氏は従来の血栓抑制の考え方は血小板など血液成分への介入だけを重視する偏ったものであり、それに基づく抗血栓療法も不十分にならざるを得なかったとし、血栓形成を考える理論的枠組みとして、約150年前に提唱されたVirchowの三原則(Virchow's triad)が今日も有効であるという。
“triad”を“3原則”と訳しているのは行き過ぎではないかと思うのだが・・・
この辺に、2つの記述物(日経メディカル、Lancet)の原形があるようだ
↓
今から150年超前に、Rudolf Virchowは、血栓形成のtriadを提案
すなわち、 ”abnormal changes of the vessel wall, blood flow, and blood constituents”(血管壁の異常、血流、血液成分)である。
Mechanisms of thrombogenesis in atrial fibrillation: Virchow's triad revisited
The Lancet, Volume 373, Issue 9658, Pages 155 - 166, 10 January 2009
心房細動はもっとも多い不整脈で、卒中や血栓塞栓の高リスクと相関。
エビデンス増加により心房細動における血栓源傾向は病態生理メカニズムのいくつかに関連。
流量の病的変化は左房のstasisによるものというのは自然に起きるechocontrastで観察できる。血管壁、特に、解剖的・皇族的欠損、心房の拡大、細胞外マトリクスの心腔内露出、浮腫性・線維弾性性浸潤などを含む変化も関連
加えて、血液成分の変化の記載も多く、凝固・血小板活性増加、炎症やgrowth factorの変化を含む。
この不整脈における、これらの変化は、血栓原性に関するVirchow triadを充分に満たし、prothrombotic状態、凝固亢進状態によるものである。
原文では以下について解説・anatomical and structual consideration
・abnormal blood stasis
・abnormal blood constituents
・von Willebrand factor (vWf)
・Abnormal changes in fibrinolysis
・血小板
凝固系異常(劣化コピー)



作者:internalmedicine
更新日:2009年1月10日 9時1分
喘息悪化に食事内容が関係する?
結構大胆な食事の分類方法だが、喘息の急性増悪に関して、食事のパターンも関与している可能性がある・・・と言う話
Dietary patterns and asthma in the E3N study
Eur Respir J 2009; 33:33-41
the "prudent" pattern (fruits and vegetables);
the "Western" pattern (pizza/salty pies, dessert and cured meats)
the "nuts and wine" pattern
パターンスコアを3分位に分け評価
交絡因子補正後、食事パターンは喘息頻度、喘息罹患歴、現行喘息と関連せず
"Western" patternは、喘息発作頻度リスク増加と関連(highest versus lowest tertile odds ratio (OR) 1.79, 95% 信頼区間l (CI) 1.11–3.73).
"nuts and wine" patternは、喘息発作報告頻度リスク減少と関連(highest versus lowest tertile OR 0.65, 95% CI 0.31–0.96).
ナッツアレルギーに関しては注意しよう!
脂肪食後4時間程度で、リンパ球、好酸球の増加が、低脂肪食に比べ、有意に増加するという知見、それと、地中海沿岸各国では喘息頻度が少ないことも、傍証で、飽和脂肪酸が喘息急性増悪悪化に関与しているのではないかという考察
他、抗酸化ビタミンの考察もある。
反する論文もあるから・・・慎重であるべきだが、喘息にも栄養指導が必要?
Am. J. Respir. Crit. Care Med., Vol 151, No. 5, 05 1995, 1401-1408.
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月9日 11時10分
冠動脈疾患予後推定に関わるレビュー:おちついて考え直せ
日本国内だけ、メタボリックシンドロームなどと騒いでも、イギリスの雑誌は冷静だなぁ・・・と
Clinical Review
Evaluating cardiovascular risk assessment for asymptomatic people
Published 5 January 2009, doi:10.1136/bmj.a2844
Cite this as: BMJ 2009;338:a2844
・Framinghamスコアによるリスク推定評価は、いまだに有益性が高い
・メタボリックシンドロームや心電図異常は、従来のリスク要因に追加的予後推定因子とはならない
・運動ストレス心電図はST変位単独の評価では推定的でない、だが、他の心電図所見の集積や臨床変数をくわえることでやや評価可能となる
・生化学検査は、多くの検査項目を加えても、臨床的リスク推定には役立たない
・subclinicalな動脈硬化画像所見、CTによる冠動脈造影は高リスク患者の同定可能だが、少数例がこぼれ落ちる可能性がある。
・医家・患者の絶対的リスク評価情報共有が臨床的アウトカムを改善するかのランダム化トライアルは存在しない
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月9日 10時35分
メラミン低用量曝露による腎障害は否定的とのこと
Renal screening in children after exposure to low dose melamine in Hong Kong: cross sectional study
BMJ 2008;337:a2991 (Published )
香港では、横断的研究が行われ、12歳以下のプライマリケアクリニックで3170名(男児1422名)1ヶ月以上、メラミン残留ミルク製品を飲料したこどもを対象に調査
主要アウトカムを腎結石、血尿の存在として検討
1名は腎結石、7名はメラニン関連の腎沈着が7違われ、208名では尿試験紙血液反応陽性
試験紙潜血陽性を顕微鏡で確認したところ、この7.4%のみで血尿確認
故に1%未満の血尿発生率と推定
結論としては、メラミンの低用量曝露後では、急性腎不全や尿路閉塞などの重篤な腎アウトカムはないとのこと
だが、”品質をごまかすために工業用の物質を混ぜる「贋造(がんぞう)」と呼ばれる行為”による製品をほんとに把握できているのだろうか?(http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080921/sty0809210010001-n1.htm)
だが、厚労省は早々と、中国で牛乳へのメラミン混入が確認された企業が製造した乳及び乳製品については、わが国への昨年1月以降の輸入実績はありません”(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/09/h0920-1.html)と結論づけてしまっている。
・・・低用量曝露で人体への有害性がまだ不明だった時点である・・・
この官庁の役人たちは、ほんとに、国民の健康をなんともおもってない
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月9日 10時0分
運動不足の人への運動処方は有効 但し、転倒・外傷は増えるよ
運動処方というのは、基礎疾患(四肢運動・神経・心肺・腎臓・代謝・・・・など)の疾患や個人の特性、地域的特性(交通量や利用できる社会的リソースなど)により個別化すべきだろうと思う。ただ、ほとんどの人達にはある程度一般的指導だけでよいのではないか。ただし、運動のリスクに関しても指導しなければ、せっかくの運動の効用が台無しになる。
もともと運動不足の人への運動処方が成功するかどうか・・・実地論文
Exercise on prescription for women aged 40-74 recruited through primary care: two year randomised controlled trial
BMJ 2008;337:a2509 (Published )【目的】2年間において、比較的日常不活動女性における処方上のプライマリケアベースの運動プログラムの有効性
【デザイン】 Randomised controlled trial.
【セッティング】 17 primary care practices in Wellington, New Zealand
【被験者】 40-74歳の1089名の女性
中等度強度運動30分間、少なくとも週5日
【介入】9ヶ月間の、6回のフォローアップ訪問と月ごとの電話サポート身体運動介入ブリーフィング
【主要アウトカム測定】 ベースライン、12、24ヶ月の身体活動性評価
二次アウトカムは、QOL(SF-36)、体重、ウェスト経、血圧、血中空腹時脂質農道、HbA1c、血糖、インスリン、身体フィットネス
【結果】 平均年齢58.9(SD 7)歳
トライアル持続率(retention rate)は、12ヶ月で93%、24ヶ月で89%
ベースラインにて、中等度強度身体運動150分という目標に到達していた割合は、介入群の10%、対照群の11%。それが、12ヶ月で、43%、30%と増加し、24ヶ月で、39%、32.8%と増加した (P<0.001)。
介入群で、対照群比較すると、SF-36身体運動機能(P=0.03)とmental health (P<0.05)スコア改善
だが、role physical scoreは有意に低い(P<0.01)
臨床的アウトカムは有意な差異無し
転倒 (P<0.001)と外傷 (P=0.03の増加)が介入群で見られた
【結論】 2年における、処方運動プログラムは身体活動性を増加させ、QOL向上に役立つ
しかし、転倒や外傷も増加する。
この所見は、身体不活動を減らすための一般住民への戦略として、運動処方プログラムの使用を支持する報告である。
ところで・・・
特定健康指導が始まっているが、成功報酬支払いってのが斬新(皮肉を込めて・・・)
逆に、失敗したときや、その指導による外傷などの副事象はだれが責任をとるのだろうか?
生活習慣病予防(健康づくり)特集 運動施策の推進
指導を受けた後、怪我(どこかの総理大臣は”カイガ”と呼びそうだが)したとき、国にその損害賠償を請求してみたらどうだろう
もっとも、既に現場責任転嫁対応済みである
↓
運動・身体活動を指導する際のリスクマネージメント
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/02/s0219-4c.html
しかも、根拠が見あたらないのに・・・“リスクの把握の方法は、「標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)」P45の標準的な質問表で対応が可能”と・・・あまりに無責任・非科学的・・・
こんなおっそろしい制度・・・やってられっかいってのが現場の本音
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月9日 9時36分
政商:オリックス・宮内
オリックス・宮内といえば・・・・・一言で言えば、「政商
、「医療を受けたければ、家を売ってでも受けるという選択」(米国の失敗を日本に導入するな! 小泉 2004年 11月 12日)と言いのけた”経済団体さえ良ければ全てうまくいく”という考えの持ち主。
こう思っているのは医療界だけではないようだ『「小泉規制改革」を利権にした男 宮内義彦』 有森隆とグループK (著)
サラリーマン政商―宮内義彦の光と影 (単行本) 森 功 (著)
当ブログでも何度となく扱ってきたが・・・思い出すだに腹立たしい人間の一人である(小泉・竹中以上に・・・)。
参考:私利私欲の極み 2004年 09月 22日
提灯記事:パワーリハビリ 2004年 12月 20日
薬価差益・・・と まだ ほざいている奴がいるが・・・ほんとに利益を得ているのは 2004年 12月 11日
数々の暴言・悪行・・・が、現在問題となっている福祉・医療に弊害を与えている。
今のところ、こいつが原因で、明確な被害は、高知のPFIだろう・・・
第二のコムスン問題となるか? PFI関係贈収賄事件 2007年 09月 17日
小泉時代のお土産だったんだろう・・・そのことが今話題になりつつあるようだ。「かんぽの宿」オリックスに一括譲渡
2008.12.26 20:21 産経MSN
日本郵政は26日の取締役会で、全国展開する宿泊・保養施設の「かんぽの宿」70施設を同社の運営事業部門ごと、来年4月1日付でオリックスに一括譲渡することを決めた。譲渡額は明らかにしていないが数百億円規模とみられ、非正規労働者を含む従業員約3200人の雇用はすべて引き継ぐ。かんぽの宿は、郵政民営化から5年後の平成24年9月までの譲渡または廃止が決定済みで、日本郵政は譲渡先の公募、選定作業を進めていた。日本郵政側は「雇用確保を最優先に譲渡先を決めた」としている。
「かんぽの宿」オリックス譲渡 総務相が難色
2009.1.6 23:18 産経MSN
鳩山邦夫総務相は6日夜、日本郵政が宿泊・保養施設の「かんぽの宿」70施設を、オリックスグループに一括譲渡する方針に関して、オリックスの宮内義彦会長が郵政民営化の検討にかかわったなどとして、再考を求める考えを表明した。鳩山氏は都内のホテルで記者団に「(譲渡は)出来レースと受け取られる可能性がある。考え直してもらいたい」と述べた。さらに鳩山氏は譲渡先の変更も視野に入れていることも明らかにした。
かんぽの宿:譲渡見直し 総務相、「郵政」資産凍結狙い? オリックスは困惑
日本郵政によるオリックス子会社のオリックス不動産への「かんぽの宿」70施設の一括譲渡契約に対し、鳩山邦夫総務相が再考を求めたことに、日本郵政とオリックスは困惑し、総務省も真意を測りかねている。
郵政民営化は現在、政府の委員会(田中直毅委員長)や自民党で見直し論議が進んでいるが、資産を売却してしまうと後戻りできなくなる。このため「日本郵政の資産を凍結しておく意図があるのではないか」(総務省幹部)との見方もある。
今回の譲渡には総務相の認可が必要で、日本郵政は1月下旬、認可申請を提出する予定だった。総務省は日本郵政が譲渡先をオリックスに決めた選考過程を調査し、今月中をめどに総務相に報告する方針。認可が得られなければ、売却が白紙になる可能性もあり、先行きは不透明だ。
日本郵政は昨年4月、売却先を公募し、昨年12月に譲渡先をオリックスに決めたばかり。日本郵政では「手続きを踏んできたのに、いまさらなぜ」(幹部)の声が上がった。総務相は“待った”をかけた理由について「オリックスの宮内(義彦)会長は規制改革会議の議長をやり、そこで郵政民営化を議論した」と述べたが、オリックスは7日、「規制改革会議で『郵政民営化』というテーマは出ていない」とのコメントを出した。【前川雅俊】
毎日新聞 2009年1月8日 東京朝刊
オリックス・宮内への毎日新聞の優しい態度・・・が、おもしろく、悲しい。
NHKも含め、高知PFIの問題とともに、滋賀県近江八幡市立総合医療センターも地域では大問題なのに在京マスコミは取り上げようともしない。
経団連・マスゴミファッショについて大多数の国民は知らないのだろう。
サマータイム 2007年 05月 22日 国民に健康被害をもたらそうとする悪の集団・・・経団連&自民党
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月8日 11時32分
待機的帝王切開タイミング:39週前は新生児アウトカム悪い
39週後の出産に比べ、39週前の帝王切開は、新生児死亡、呼吸器合併症、人工呼吸必要性、要治療低血糖、新生児敗血症、ICU入室のプライマリアウトカムリスク増加と相関
Timing of Elective Repeat Cesarean Delivery at Term and Neonatal Outcomes
N Engl J Med. Volume 360:(2) 111-120 January 8, 2009
ACOGでは反復選択的帝王切開は39週以降に行うことが望ましいとされているが、39週以降ではかなりの割合が緊急帝王切開になると予測される。緊急帝王切開は母体合併症が選択的帝王切開よりも多いとする報告もある(www.med.niigata-u.ac.jp/obs/medical/meeting/file/2007/12-13.doc ← 例の新潟大学・・・因縁を感じたりして・・・)
・・・ってことでの研究らしい
帝王切開は新生児肺炎を増加させる:待機的帝王切開への警告 2008年 01月 12日
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月8日 10時39分
Glycemic Control and Complications in Diabetes Mellitus Type 2 (VADT) 文献出版
Glycemic Control and Complications in Diabetes Mellitus Type 2 (VADT)
ACCORD、ADVANCE、VADTとよく並び称せられるが、昨年6月に発表された分だろう・・・VADT文献
”2型糖尿病コントロール不良の退役軍人を血糖標準コントロール・強化コントロールにわりつけたところ、主要心血管イベント、死亡、微小血管合併症に関して差異無し”
Glucose Control and Vascular Complications in Veterans with Type 2 Diabetes
N Engl J Med. Volume 360:(2) 129-139 January 8, 2009
【背景】 長期に及ぶ強化血糖コントロールの心血管イベントへの影響は未だ不明
【方法】 1791名の退役軍人(平均年齢 60.4歳)で、2型糖尿病suboptimal responseの対象者を標準・強化血糖コントロール群に割り付け
他の心血管リスク要因は均一に治療。
糖尿病初回診断からの平均年数は11.5で、心血管イベントを既に有する比率が40%
強化治療群の目標は糖化ヘモグロビン値、標準治療との絶対値差1.5%減少
主要アウトカムは、ランダム化から主要心血管イベント(心血管原因、うっ血性心不全、血管疾患手術、処置不能の冠動脈疾患、虚血性壊疽による切断)発症までのトまでの期間
【結果】 フォローアップ期間中央値は5.6年、糖化ヘモグロビン中央値は、標準治療群で8.4%、強化6.9%
プライマリアウトカムに関して、標準治療群は264、強化治療群は236
(hazard ratio in the intensive-therapy group, 0.88; 95% confidence interval [CI], 0.74 to 1.05; P=0.14)
2群に全コンポーネントを含むプライマリアウトカムや全原因死亡率は有意な差なし(hazard ratio, 1.07; 95% CI, 0.81 to 1.42; P=0.62).
2群に微小血管合併症の差異なし
副事象イベント、特に低血糖が標準治療にて17.6%、強化治療にて24.1%出現
【結論】コントロール不良な2型糖尿病に対して 強化血糖コントロールを行うことで、主要心血管イベント、死亡、微小血管合併症へ影響を与えなかった。
(ClinicalTrials.gov number, NCT00032487 [ClinicalTrials.gov] .)
高リスク2型糖尿病強化治療:異なる2つトライアル結果:ACCORD vs ADVANCE 2008年 06月 07日
内科開業医のお勉強日記 : ACCORDトライアル AHA ステートメント 2008年2月22日
内科開業医のお勉強日記 : ACCORD研究のインパクト 2008年6月9日
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月8日 10時13分
エベレスト山頂のヒトの動脈酸素分圧・炭酸ガス分圧
1981年の酸素分圧、炭酸ガス分圧をエベレスト山頂で、10分間酸素使用せず用いた擬似的測定値(West JB, Hackett PH, Maret KH, et al. Pulmonary gas exchange on the summit of Mount Everest. J Appl Physiol 1983;55:678-687. )が有名で、”Arterial PO2 was calculated from changes along the pulmonary capillary to be 28 Torr”という値を推定。
↑
この話・・・なんども講演会で聞いたなぁ・・・
今度の研究は、実際に、エベレスト山頂登下山登山家の10名の動脈血サンプルにて測定8400mで大気圧272 mm Hg(36.3 kPa)にて
平均PaO2
は 24.6 mm Hg(3.28 kPa):range 19.1 ~ 29.5 mm Hg (2.55 ~ 3.93 kPa)
平均PaCO2
は 13.3 mm Hg (1.77 kPa):range 10.3 ~ 15.7 mm Hg (1.37 ~ 2.09 kPa)
Arterial Blood Gases and Oxygen Content in Climbers on Mount Everest
N Engl J Med. Volume 360:(2) 140-149 January 8, 2009

いままで2つの研究、Operation Everest II と Operation Everest III (Comex '97) とがなされ、これは低大気圧チェンバー内用に準備されたものでの測定で、エベレスト山頂(253.0 mm Hg, or 33.73 kPa)をシミュレートしたもので、そのときはPaO2 of 30.3±SD 2.1 mm Hg (4.04±SD 0.28 kPa)と 30.6±SD 1.4 mm Hg (4.08±SD[0.19 kPa)であった。
8400mでは、7100mの時より平均酸素含量は26%低下
平均A-aDO2は 5.4 mm Hg (0.72 kPa)
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月8日 8時56分
肺癌:新築家屋内ラドン濃度基準値設定はコスト効果的である ・・・ 日本はどうするの?
University of Oxfordの疫学研究
Lung cancer deaths from indoor radon and the cost effectiveness and potential of policies to reduce them
Published 6 January 2009, doi:10.1136/bmj.a3110
BMJ 2009;338:a3110
【デザイン】 Cost effectiveness analysis.
【場所】 United Kingdom.
【データ源】 Epidemiological data on risks from indoor radon and from smoking, vital statistics on deaths from lung cancer, survey information on effectiveness and costs of radon prevention and remediation.
【主要アウトカム測定】 室内ラドンによる肺癌死亡推定数、様々なラドンコントロール介入前後での肺癌からの生涯死亡リスク、様々なラドンコントロール施策により増加するQALY、肺癌死亡率減少の可能性
【結果】 UKの家での平均ラドン濃度は21ベクレル/m3(Bq/m3)
肺癌による約1100名死亡、肺癌全体の3.3%が家屋内でのラドン由来。
100 Bq/m3未満のラドン濃度によるものが85%超でほとんどで、これは、ほとんどラドンと積極的喫煙によるジョイントによるものである。
選択的なエリアで新築でのラドン予防のための基準値を設ける現行の施策は非常に超すと効果的で、UK全体に広がってもそのような基準値のコスト効果は維持されるだろう。
QALYあたりのコスト増加£11 400 ( {euro}12 200; $16 913)
既存家屋内に対する現行の施策では、高ラドン濃度のままだが、コスト効果的でなく(QALY あたりのコスト増加 £36 800)、肺癌死亡率減少に効果もない
【結論】新築家屋内に対するラドン基準値をもうける施策はUK全体でもコスト効果的で、喫煙を減少する事とともに必要である。
高ラドン濃度を既存居宅に施策は多くのラドン関連死予防に役立たず、多くの家ではその曝露は中等度となるためであろう。
この結論は、UKより曝露可能性が高いであろう多くの発展途上国に適用されるだろう。
UK家宅のラドン濃度の分布、ラドン関連肺癌死亡数
75歳までの肺癌累積死亡リスク
多くの国で、肺癌がもっとも多い致死的癌となっている。肺癌の多くは喫煙によるが、他にも発ガン原因があり、吸入ラドン-222(半減期 4日)が知られており、地殻に存在するuranium-238から生じるradioactive decayがもとである変に存在する自然の大気汚染物質である。
戸外のではきわめてその濃度は低いが、屋内では高く、特に居宅無い、小ビルで高い。多くの国で、natural ionising radiation曝露源である。
吸入されると、固相存在ラドンは気管支上皮に沈着し、α irradiationが細胞内でなされる。
ここに掲げられている各国家屋内ラドン濃度をみると国によってはUK以上に深刻である。
↓
http://rcwww.kek.jp/kurasi/page-45.pdf
世の中には、ラドン浴などと称して、自称高ラドン環境の密閉空間にわざわざ金を出して行き、健康になったと喜んで浴びている人達のいる国があるのだが・・・
http://plaza.rakuten.co.jp/osame/diary/200605230000
”屋内ラドンの規制に対する日本保健物理学会の提言”(http://wwwsoc.nii.ac.jp/jhps/j/groups/adhoc_radon/adhoc_radon.pdf)はクビをかしげる
規制強化を否定する前提が、「我が国のラドン濃度レベルなどについては、過去に全国調査が行われ、全国平均の値として15.5 Bq m-3が得られた。この値はこれは欧米諸国に比べて低い結果となっている」である。
上記資料見ても、この値は欧米並みなのに・・・日本保健物理学会の人たち頭おかしいのでは?
密閉性の住居に日本は変わりつつあるにもかかわらず、基準値設定さえ渋る理由は、関係業者の保護が主なのだろうか?英国研究が住民健康本意でQALYあたりのコストで行政施策をきめているのにくらべ、日本という国の施策は、いきあたりばったり+業者本位・・・
この国の施策の進め方は根本的に間違えているし、その提言をするところの学会がまともな提言をできないところが悲しい・・・
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月7日 15時47分
ApoD蛋白は神経変性疾患に防御的修復的に働く
Université du Québec à Montreal (http://www.uqam.ca/nouvelles/2009/09-002a.htm)に紹介論文
A protein that protects against Alzheimer's?
Neuroprotective Effect of Apolipoprotein D against Human Coronavirus OC43-Induced Encephalitis in Mice
Journal of Neuroscience (Vol. 28: 10330-10338, 2008).
アルツハイマー、卒中、認知症、パーキンソン病、MS等の神経変性疾患に関わるメカニズムで、 Université du Québec à Montreal (UQAM)の研究
アルツハイマー病を含む神経変性疾患のいくつかのタイプでApoD増加が見られ、この蛋白が防御的であり、修復的であるという仮説をたて、検討した。
ApoDの防御的修復的役割を確立するため、
1)ApoD値を増加させたマウス
2)ApoDの無いタイプのマウス
神経変性物質、paraquat曝露で、ApoD高値はベストなアウトカムであった。
no ApoDのノックアウトマウスはもっともアウトカムが悪い。
結局、ApoD蛋白の防御的作用が明らかとなった。
それ以前に、Overexpression of a Drosophila homolog of apolipoprotein D leads to increased stress resistance and extended lifespan.
Curr Biol. 2006 Apr 4;16(7):674-9.という論文があり、酸化ストレスに防御的に働くことが示されている。
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月7日 14時42分
進行パーキンソン病に対する脳深部刺激療法:副事象
些事だが・・・「深部脳刺激」というのと、「脳深部刺激」ってのが2つあるようだ。Google検索だと、前者約 26,200 、後者約 23,300 件でほぼ拮抗している。Medical Finderだと、「脳深部刺激」のみ。英語直訳だと深部脳手術って事で、用語の混乱がある。
脳深部刺激(Deep brain stimulation)はパーキンソン病進行期治療として認められているが、最適な薬物治療より効果的かどうかは不明。
Weaverらはランダムに255名の進行期パーキンソン病患者をdeep brain stimulationとベスト薬物治療に割り付け
6ヶ月後、deep brain stimulationの方が、"on" time (スムーズでない運動機能だが良好な運動コントロールができている状態:good motor control with unimpeded motor function)、運動機能、quality of life改善が見られた。
ただ、重篤な副事象は認められた。
Bilateral Deep Brain Stimulation vs Best Medical Therapy for Patients With Advanced Parkinson Disease
A Randomized Controlled Trial
JAMA. 2009;301(1):63-73.
副事象に関しては、重篤な副採用イベントの包括リスクは薬物治療の3.8倍
49名脳深部刺激患者(40%)で82の重篤な副事象
15名の最良薬物利用患者(11%)で19の重篤な副事象
もっとも頻度の多い副事象は手術部位感染で、神経系疾患、精神疾患、デバイスによる合併症、心疾患を含む重篤な合併症で、認知機能異常、言語困難、instability、歩行障害、うつなどで、術直後には浮腫、リードの破損、頭皮の皮膚壊死・感染など
現在、画期的な治療法ということだけが先行し、その限界と副事象に関する一般へのアナウンスがすくないのではなかろうか?
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月7日 13時56分
抗酸化サプリメントと癌予防
すでに速報があった文献で以前書き込んでいる。
↓
ビタミンE・C、セレニウムサプリメント 前立腺癌予防効果示せず(PHSII、SELECT) 2008年 12月 10日
今日は、エディトリアルを意訳・略訳してみた。
セレニウムとビタミンE癌予防トライアル(Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial)で50歳以上の4群トライアルで、5.45年中央値にて、前立腺癌予防効果無し
Effect of Selenium and Vitamin E on Risk of Prostate Cancer and Other Cancers: The Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial (SELECT)
JAMA. 2009;301(1):39-51. Published online December 9, 2008
Physicians' Health Study IIデータによる解析で8.0年フォローアップにて前立腺癌や全癌のリスク減少なし
Vitamins E and C in the Prevention of Prostate and Total Cancer in Men: The Physicians' Health Study II Randomized Controlled Trial
JAMA. 2009;301(1):52-62. Published online December 9, 2008
1996年にNPC(Nutritional Prevention of Cancer)トライアル報告で、セレニウム・サプリメントが前立腺癌に効果有るという報告で沸き立った。そしてビタミンEにてATBC({alpha}-Tocopherol, Beta Carotene)トライアルにて35%前立腺癌35%幻想という報告が続き、抗酸化防御にて予防効果が意味あることとされてきた。両治験ともpost hoc解析に基づくであったが、ランダム化が働き、交絡因子が働いてないように見えた。
12年たって、2つのトライアルで見えた光明が立ち消えたニュースが飛び込んできた。
PHS Ⅱ研究が無駄であるかはそうではなく、14000名の男性医師が被験者で、ベースラインの血中解析、喫煙曝露、サブ解析研究で貴重な多くのデータを今後も生むことだろう
PSA測定の広まりが治験に多くの治験デザインやトライアル解釈に制限を与えてしまっている。そして、前立腺癌死亡率がSELECTでは一般よりかなり低いという問題もある。そしてPHSIIでも同様に低いらしい。
前立腺内のアンドロジェンは、前立腺癌早期増殖遅延をもたらす可能性がある。しかしながら、5α-reductase阻害剤を推奨するにはコスト・安全性において正当化できない。前立腺癌だけのために食事内容を変容させるのはどうかという問題もある。
いまこそ、上記3つのトライアルを充分に解析して、クリティカルに検討する次記ではないかという意見。セレニウム・ビタミンE早期予防投与結果が偶然だったことは明かとなった。PSA→生検群で、プラセボ群よりセレニウム群被験者がすくなかったというNPCトライアル結果などバイアスがかかってた可能性がある。
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月7日 9時57分
神経NOS変異は衝動的行動と関連
衝動的行動(Impulsive Behavior)は抑制的な脳の働きが働かないためと思われるが、Neuronal Nitric Oxide Synthaseの機能的変異型が関連しているらしい。
Influence of Functional Variant of Neuronal Nitric Oxide Synthase on Impulsive Behaviors in Humans
Arch Gen Psychiatry. 2009;66(1):41-50. 【被検者】 3200名超;1954名の対照、403名の人格障害、383名のADHD、151名の家族性ADHD、189名の自殺企図者、182名の犯罪加害者
【主要アウトカム測定】関連研究で、主要アウトカムクライテリアはimpulsivity(衝動性)、すなわち、dimensional phenotype conscientiousnessとカテゴリー化表現型成人ADHD、aggression(攻撃性)、クラスターB人格障害
【結果】 新しい機能的プロモーター多形型であるNOS1はimpulsivity(衝動性)で、hyperactive(過活動性)やaggressive(攻撃的)行為を含む傾向と関連する。
特異的に、成人ADHD、cluster B人格障害、autoaggressive and heteroaggressive behaviorに、short repeat variantの頻度が多い。
このshort variantは、RGS4やGRIN1を含むneuronal transcriptomeのpromoterや変化があれば、NOS1 のtranscription activity減少を伴う。
システムレベルにて、前帯状回皮質の低活動性が関連し、行動コントロールの情緒や報償系おprocessingに関連しているものと思われる。
犯罪加害者の結果が気になるのだが・・・
動物のレビューでは、neuronal (NOS-1−/− or nNOS−/−) isoform欠損では攻撃的行動が現れ、特にテストステロンは必要だが、充分でない、5-HT代謝はオスNOSで変化する。
オス nNOS- 1 -/-マウスは疼痛刺激に感度が増加し、攻撃的な相互関係が継続する。コルチコステロイド濃度増加にかかわらず、nNOS-1ノックアウトマウスは野生種より不安や恐怖を示さない。・・・
Neuroscience & Biobehavioral Reviews
Volume 30, Issue 3, 2006, Pages 346-355
入れ墨入れたおっさんが救急外来でちょっとした傷なのにワーワーいっている姿を思い出してしまった(あぁいう人たちって・・・こういうマウスと同じ変異が脳にあるのでは・・・)
作者:internalmedicine
更新日:2009年1月6日 15時33分