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トップ > 源氏物語 > 源氏物語 - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2009年1月9日 11時)
[アイヨシ][雑文]失敗から経験値が得られるRPG
●失敗のみを経験値としたRPGを作りたい - さまざまなめりっと - はてなグループ::ついったー部
失敗のみではありませんけど、失敗によって経験値が得られるRPGとして連想されるのが、TRPG(参考:テーブルトークRPG - Wikipedia)ですが、ソード・ワールドのゲームシステムです。
ソード・ワールドでは成功判定(ロール)を2つの六面ダイスを振る(=2D6)ことで行なうのですが、このとき、2つのサイコロとも1が出たとき(=1ゾロ)には自動的に失敗(ファンブル)したものとみなされます。確率的には36分の1なので、そんなに起こることではありませんが、このときキャラクターに経験値が与えられます。
失敗で経験値が得られると聞くと変に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、普通の失敗ではなくて自動失敗(大失敗)なのがポイントです。失敗から経験を積むことだってあるわけですから、十分に合理的なシステムだと思います。
その昔に私たちがやりこんだソード・ワールド1.0の場合ですと、1ゾロで得られる経験値は10点でした。しかし、新たに発表されたソード・ワールド2.0では50点になっています。これは、安い技能なら500点で1レベル習得できることを考えるとかなりお得な気がします。普通は悲しいはずの失敗ですが、この恩恵によって落ち込むことなくゲームを続けることができるのが嬉しいです。もちろん、命があればの話ですが(笑)。
1ゾロの影響はケースバイケースですが、やはり戦闘で自動失敗が出るとかなり痛いです。防御判定で自動失敗すると致命的ですし、また、回復魔法での失敗となると魔法の対象となるはずだった瀕死のキャラにとっては笑い事じゃありません。そうした他人の不幸で経験値を得るような事態も結構ありますし、場合によってはパーティ全体の行動が行き詰ることもありますから、1ゾロで経験値を得て喜ぶのは不謹慎なように思われるかもしれません。
しかし、実際にやってみると1ゾロの喜びというのは割りとプレイヤー全体に共感されやすいです。なぜなら、程度の差こそあれ、やはり失敗というのは全員につきものだからです。TRPGの場合には、その”つきもの”というのがサイコロによる運・不運で表現されていることになりますが、サイコロの目に文句をいっても仕方がありませんしね。
また、1ゾロの失敗を羨ましいと思うプレイヤーは、そのチャンスを得るために積極的に成功判定を行なうような行動をとらなくてはなりません。つまり、積極的にゲームに参加することになるわけです。これはゲームの雰囲気を考えると決して悪いことではありません。
ちなみに、ソード・ワールドにおいて経験値を得る一番の方法はシナリオ(≒ミッション)のクリアです。コンピュータ・ゲームの場合には目標設定はどうしても画一的にするしかありませんが、TRPGの場合だとかなり流動的に設定することができます。一義的な目標設定をプレイヤーに提示しながらも、展開によっては不達成に思えるような結末を迎えても達成したのと同等の経験値を与えるのもありです(その反対に、一見すると達成したように思える場合でも不達成とみなすことも可能)。この辺りはマスターの裁量や技量・プレイヤーとの信頼関係ということになってきますが、こうした柔軟なプレイが楽しめるのがTRPGの面白さだといえるでしょうね。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月9日 23時44分
[アイヨシ][プチ書評]『シンギュラリティ・スカイ』(チャールズ・ストロス/ハヤカワ文庫)
- 作者: チャールズストロス, Charles Stross, 金子浩
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/06
- メディア: 文庫
――(会場からの質問)シンギュラリティについてどう思いますか? 信じていますか。
チャン いや、信じていません。シンギュラリティはどちらかというと宗教的信念のようなものです。シンギュラリティについて物語を書くのは悪いことではないし、確かに面白いことだとも思います。しかし、多くの人はシンギュラリティが科学的事実であり、すぐにでも実現するかのように話していますが、僕はそういうふうにはまったく考えていません。
(『S-Fマガジン』2008年1月号「デッド・チャン・インタビュウ」p44より)
「シンギュラリティって何?」というようなことがふと気になりまして、そしたら本書のタイトルが目に付いたので試しに読んでみたという次第ですが、読んだら余計によく分からなくなりました(笑)。
シンギュラリティとは、技術的特異点(参考:技術的特異点 - Wikipedia)、あるいはコンピューターの知能が人間を超える現象、またはその瞬間を意味する言葉などとされていますが、本書においては、シンギュラリティが如何にして発生したか? という点はすっ飛ばされてしまっていて(そこが知りたいのに…)、シンギュラリティがすでに実現した状態で物語が始まっています。その意味で片手落ちの感は否めません。しかし、考える材料としては実に魅力的でした。
上記の「考える材料」という表現は、褒め言葉半分・貶し言葉半分の微妙なニュアンスを私としては込めています。解説抜きで536頁という分量の中には、専門用語や造語がふんだんに用いられたシンギュラリティの世界が程よくシステマティックに描かれています。しかしながら、そこで描かれているのはあくまでも人間の物語です。主役であるマーティンとレイチェルのコンビの他にも個性的な人物(人物?)が脇を固めています。ただ、そうした人間たちの物語だけを取り出してしまうと、とてもじゃないですが500頁超の分量に見合うだけのストーリーだとはいえません。主人公たち周辺のドラマにのみ着目して読めば、おそらくあっという間に読めてしまうでしょう。なので、物語を読みたい人にとってはかなり無駄の多い構成なのは否めません。読む人を選ぶ本であろうことは予めお断りしておきます。
超光速航法と超光速通信が実現した社会。そんな宇宙を背景として描かれている国家のあり方は、現実のデフォルメ、もしくはパロディめいた様相を呈しています。それによって、現実の国際情勢から離れて、国家間のあり方や国家と個人の関係を問い直すことができます。まさにフィクションの正統的役割だといえるでしょう。物語の最後の方で語られる新共和国と国連の関係は政治臭がして苦手に思われる方もいらっしゃるかもしれません(苦笑)。ただ、こうした考え方はアメリカとかなら鮮烈なものとして受け取られるのかもしれませんが、日本人的SF読みとしては何も熱弁を振るったり、改めて説明しなければならないもののようには思えませんでした。
寓意に満ちた物語でありながらも、その背景には超AIと超情報ネットワークというSF的モデルが横たわっています。そんなシンギュラリティな世界を生きる人間たちの物語。オススメとはいえませんが、意欲作として評価するにはやぶさかではありません。興味のある方はぜひ。
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/11/24
- メディア: 雑誌
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月8日 23時33分
[アイヨシ][マンガ]『美味しんぼ』と『築地魚河岸三代目』を比較してみる。
年末年始は実家に帰省していましたが、田舎では特にやることもなかったので、それなりに巻数が揃ってた*1『美味しんぼ』(作:雁屋哲・画:花咲アキラ/小学館)と『築地魚河岸三代目』(作:鍋島雅治・画:はしもとみつお/小学館)という2つのグルメ漫画を読んで暇つぶしをしてました。で、両者を読み比べると気になる点がいくつかありましたので、それをいくつか紹介してみたいと思います。
秋刀魚について
『美味しんぼ』14巻収録の第7話「秋刀魚の味」では、富井副部長*2がスダチを持ってきたことからスダチの使い方が話題になって、この季節(=秋)ならサンマだろうということになります。ところが、そこにやってきたブラックさんは、サンマの味のよさがちっとも分からないと山岡に相談してきます。その山岡と栗田も、
「いや、待てよ…… ここ数年、俺自身サンマを旨いと思ったことがないな。」
「そう言えば、私の家でもサンマが食卓に出ると、祖母や父が美味しくないって文句を言うわ。」
(『美味しんぼ』14巻p133より)
と、秋の魚として知られるサンマの旬の味が否定されています(笑)。
対して、『築地魚河岸三代目』7巻にも「築地のサンマ」というサンマのお話がありまして、やはり秋の魚としてサンマが話題になるのですが、そちらですと、
「最近のサンマはマズくなったと言う人がいますがそれは誤解でしょう。焼き方の問題なのではないかと思います。」
「焼く前にちゃんと塩をして15分ほど置く事をしなかったり、住宅事情などで昔ながらの焼き方ができなくなったり美味しい焼き方を知らなかったりする… そのせいでマズくなったと誤解されてるんじゃないでしょうか……」
(『築地魚河岸三代目』7巻p166より)
「サンマは冷凍しても見かけも味もあまり変わらない冷凍向きのありがたい魚だと言われています。だから一年前のヒネ物…つまり冷凍しておいた物を解凍したいわゆる冷凍サンマは一年中食べる事ができますし、塩焼きなら十分に美味しいのですが……刺身は生サンマでしかできません。まさに今が旬ですね。」
(『築地魚河岸三代目』7巻p169より)
と真っ向から対立する見解が主張されています。いいですねぇ。私はこういうの大好きです(笑)。
干物について
『美味しんぼ』29巻収録の第2話「天日の贈り物」では干物の作り方が話題になっています。猫のエサに干物を食べさせるというとんでもない話ですが(笑)、山岡によりますと、
「干物は魚を単に乾燥させればよいというものではない。天日で乾燥するのには意味がある。」
「太陽の光線は蛋白質が分解して、旨味成分であるアミノ酸を出すのを助長する。香りも格段によくなる。」
「乾燥機は水分を取り去るのが主で、太陽光線のような風味をよくする働きはない。」
(『美味しんぼ』29巻p43より)
というように、タイトルどおり天日に当てることの重要性が説かれています。
対して、『築地魚河岸三代目』11巻にも「手塩にかけた干物」というお話があります。それによりますと、
「科学的には天日乾燥も機械乾燥も干物に与える効果はほとんど変わらないそうです。イメージの問題が大きいのではないでしょうか。」
「それに、干物を干すのにもっとも大事なのは「風」だと、ワシは思っています。」
「風?!」
「ええ。あてる風の強さと温度によって仕上がりがまるで違うんです。」
(『築地魚河岸三代目』11巻p182より)
ということで、天日はさほど重要ではない模様です。いいよいいよ〜(笑)。
寿司ネタとしてのウニについて
『美味しんぼ』69巻収録の第3話「寿司に求めるもの」では、寿司ネタとしてウニが話題になっています。海原雄山を尊敬している平月という寿司職人が京極さんを通して海原雄山を客に迎えます。海原雄山はウニを注文しますが、雄山はウニの寿司を一目見ただけで食べもせずに店を出てしまいます。困った寿司職人は岡星さんを通じて山岡に相談します。酢飯も海苔も完璧。ウニも利尻で最高の値が付いたものを寿司職人は用意します。しかし山岡もやはり見ただけでその寿司に駄目出しをします。
「やかましい寿司屋がウニを使わないのは、握れないものは握らないということがひとつ。」
「そしてもうひとつ決定的なのは、よそで他人がおろしたネタは使わないという、原則を守るためだ。」
(『美味しんぼ』69巻p110より)
ということで、処理済の箱ウニを完全否定して生きウニを使う必要性を説きます。
対して、『築地魚河岸三代目』10巻にも寿司ネタとしてのウニをテーマにした「箱入りの白ウニ」というお話があります。それによりますと、
「たくさんの生きウニを開けてみて分かったのは、やはり一個一個に相当の個体差がある事です。」
「とても箱ウニのように一定の高いレベルを揃えるのは不可能です。」
(『築地魚河岸三代目』10巻p68より)
などの他いくつかの理由から、寿司ネタとしての生きウニが否定され、箱ウニのすばらしさが証明されています。実に面白いです(笑)。ちなみに、『築地魚河岸三代目』では16巻でもウニがテーマのお話がありますので、興味のある方はそちらもぜひ読んでみてください。
以上、探せば他にもあるかもしれませんが、私の実家に揃っている巻数ではこんな感じでした(詳しいことを知りたい方は必ず漫画の方を読んでくださいね)。
これらの主張のどちらが正しいのかは私には分かりません*3。ただ、どちらが正しいのか、という視点にはあまり意味がないようにも思います。食材の価値は科学技術の進歩や環境の変化に左右されます*4。ゆえに、その点で先発の『美味しんぼ』より後発の『魚河岸』が有利なのは否めませんし、あるいはその当時はそれが正しかったのかもしれません。なので、常に上書きに上書きを重ねる姿勢がグルメ漫画には必要だと思うのです。また、箱ウニの場合には、『美味しんぼ』では主にホウ酸処理に焦点が当てられているのに対し、『魚河岸』では主にミョウバンに焦点が当てられています。そうした着眼点の違いも考慮する必要があるでしょう。
いずれにしましても、料理の味について結局は自分の舌を信じるしかありませんし、それを裏付ける情報についても自分のリテラシーを信じるしかありません。ということで、今回取り上げたようなことについて興味のある方は、ぜひご自分でいろいろと調べてみて、私にいろいろと教えてくださいませ(笑)。
【おまけ】
ちなみに、『魚河岸』16巻には天然出汁と旨味調味料のお話があるのですが、
「昔は化学調味料と言ってたが最近は旨味調味料と言うようになった…」
(『築地魚河岸三代目』16巻p40より)
と書いてあって、そのときは「ふ〜ん」と思っただけでした。しかし、ネットサーフィンしてましたら、テレビ大阪「美味しんぼ(再)」にて言葉狩り 化学調味料の”化学”部分が無音にという記事を発見。まさか放送禁止用語になってるとは思いもしませんでした。科学技術の進歩や環境の変化だけでなく、言葉の変化にも対応しなければならないんですから、グルメ漫画を描くのも大変ですね……。
*1:全巻ではありません。特に最近のものはありません。
*2:当時。
*3:ウニの食べ比べなんて贅沢なこと私にはできません(涙)。
*4:例えば冷凍技術など。『美味しんぼ』の場合でも、初期は冷凍物には冷たい感じがありましたが、その後はかなり冷凍技術の進歩というものを認めるようになってきていると思います。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月7日 17時9分
[フジモリ][バクマン][マンガ]『バクマン。』と『DEATH NOTE』を比較して語る物語の「テンポ」と「密度」
ようやく単行本化されました大場つぐみ・小畑健版「まんが道」こと『バクマン。』第1巻。非常に面白かったです。
単行本で読むと非常にテンポが良く、1巻の最後ではすでに持ち込み用原稿を描くなど、
「漫画家になりたい少年」の話を描きたかったのではなくて、あくまでも「漫画家」を描きたかった(QuinckJapan2008年12月号P56、担当編集相田聡一インタビューより)
という原作者・大場つぐみの思いが伝わってきます。
このQuickJapanの担当編集インタビューで、大場・小畑コンビの前作『DEATH NOTE』を引き合いに出し、『バクマン。』の展開の速さ、密度の濃さについて話をしていましたので、ふと興味が湧いて両者の1巻の進行度を比較してみることにしました。どちらも1巻は7話まで収録していまので、1巻の時点での「物語の展開」を比較する目安となるかと思います。
第1話
『DEATH NOTE』の第一話では、人間界に退屈した夜神月と死神界に退屈したリュークとの邂逅が描かれています。一方、『バクマン。』でも
つまらない未来
生きていることは面倒くさい(『バクマン。』1巻P11)
と人生を斜に構える主人公・真城最高と高木秋人との邂逅を描いています。月は1話の最後で「新世界の神になる」と宣言し、最高は「漫画家になる」と宣言。1話にして主人公たちの目的や出会いを詰め込んでいます。
第2話・第3話
『DEATH NOTE』の第2話ではラスボス(笑)である「L」が登場します。「L」が月こと「キラ」を探し出すのが先か、キラがLを殺すのが先か。この漫画における、「勝利条件」が明示されました。
『バクマン。』第2話では最高と秋人、そしてヒロイン亜豆のキャラを掘り下げていきます。キャラ説明で終わりかと思いきや、「漫画家になる」ことを家族に認めさせるというイベントが発生します。第三話で叔父の仕事場を引き継ぎ、漫画家への決意をあらたにします。
一方、『DEATH NOTE』第3話では警察庁刑事局局長である月の父親が登場。
下手を打てば…
キラは…
自分の家族を殺すことになる(『DEATH NOTE』1巻P109)
と、同じ「家族」を描きながらも自身の目的のためなら家族を殺すことを厭わない月(=キラ)の決意を浮かび上がらせます。
第4話・第5話
『バクマン。』第4話では最高の叔父と亜豆の母との関係について描かれています。二人の恋の行方を知り、最高は「漫画家になる」という夢へのモチベーションをアップさせます。そして第五話では夢に向かって努力する様子をこれまた丁寧に描き込み、「夢を叶えるための手法(この場合「漫画の描き方」)」について筆を割いています。
一方『DEATH NOTE』では第4話で月の持つ「デスノート」をいかに隠すかに筆が割かれ、第5話では「死神の目」というルールが新たに提示されます。こじつけかもしれませんが、ある意味、これも「夢を叶えるための手法」の提示と言えましょう。
『バクマン。』第5話の最後で新妻エイジが登場。ただし、『DEATH NOTE』と異なり彼は「倒すべき敵」ではありません。小ボスを倒しながら「L」を倒すという目標がある『DEATH NOTE』と、「まんが道に終わりはない」、つまり倒すべき敵のいない『バクマン。』との大きな差異点であると思います。
第6話・第7話
『バクマン。』第6話では新妻エイジのキャラを読者に印象付けるのと同時に、「漫画家になる」ための重要項である「編集」について語られます。ジャンプ編集部に持っていくための原稿を描く二人。第七話の最後、つまり1巻の最後では出来た原稿をジャンプ編集部に持って行くところで終わります。2巻ではいよいよ最高と秋人が編集との出会いを通じ「夢=漫画家」への階段を上っていきます。
『DEATH NOTE』第6話ではまたもや「デスノート」の新たなルールについての提示があります。このルールをもとに、第7話では月を尾行するレイ・ペンパーの本名を探ります。これで1巻が終わり。2巻ではいよいよ月が「犯罪者」以外への殺人を通じ「夢=新世界の神」への階段を上っていきます。
・・・とまあ、一部強引なコジツケはありましたが、主人公のパートナーとの出会いと目的(夢)を提示し、夢に向かう手法を提示しながら1巻の終わりでは2巻への新たなステップを予感させる、と『DEATH NOTE』『バクマン。』と同じような展開の速さ、密度の濃さを構成していることが感じ取れます。
同じくQuinckJapan2008年12月号の担当編集相田聡一インタビューで、
ただ、漫画は展開が早い方が面白い、というのは100%正しいと思う。『DEATH NOTE』の時もそうでしたが、たらたら展開を引き伸ばしてやるよりも、ぽんぽん先に進む、かつ密度が濃いものの方が面白いに決まっている。面白いものが、より面白くなっていく状況を止めてまで、展開を引き伸ばす必要はないですから。(P56)
と語っています。展開の速さと密度の濃さによる面白さの加速というのは『DEATH NOTE』で充分に感じましたが、『バクマン。』もまた同様かもしれません。
『バクマン。』が今後どういう展開になっていくのか。一読者として次巻(およびジャンプ)を楽しみに待ちたいと思います。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月6日 17時36分
[フジモリ][プチ予想][競馬]京都金杯予想
一年の計は金杯にあり再び。
■京都金杯
◎バトルバニヤン
○アドマイヤスバル
▲ファリダット
スポニチ杯なのでスポニチ大阪本命のバトルバニヤンを無条件に本命(笑)。京都実績もある。
史上初の東西金杯制覇を狙う川田騎乗のアドマイヤスバルが対抗。
マイル延長が気になるがそろそろ重賞をとってもよいだろうファリダットをおさえに。
それでは、今年も宜しくお願いします。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月5日 7時28分
[フジモリ]号外さんちゃ0291号
あらためてあけましておめでとうございます。
年末年始は落ち着いてPCに向き合う時間が無かったので、今日が「書き初め」といったところでしょうか(←うまいこといったつもり)。
アイヨシも年末に書いていましたが、2008年は当ブログで取り上げていた『ハチワンダイバー』や『図書館戦争』などがドラマ化、アニメ化され、一昨年以上にご来訪が多かった一年でした。一応、当サイトは書評サイトと謳っておりまして、その地道なプロパガンダの成果か(笑)書評サイトとして皆様からもご支援いただいている状況です。
2009年も現状維持を目標に、アイヨシの言葉を借りるならば「基礎体力を持ちながらも他には無い視点からの切り口にこだわった記事」をご提供し、皆様に楽しんでいただければと考えています。
それでは、2009年も宜しくお願いいたします。(ふかぶか)
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月5日 20時11分
[フジモリ][競馬]2008年の競馬をふりかえる
年が明けまして早速金杯スタートと競馬ファンには慌しい1年が始まりましたが、忘れないうちに2008年を振り返ってみたいと思います。
まあ当ブログではニーズがないかもしれませんが、趣味の世界ということでご容赦を。
2008年古馬戦線
とにかく、牝馬の年。これにつきます。しかも4歳牝馬。
牡牝混合のGIで、ウオッカ(安田記念、天皇賞秋)、スリープレスナイト(スプリンターズS)、ブルーメンブラッド(マイルCS)、ダイワスカーレット(有馬記念)と牡馬が勝ったGIを思い出すだけでも苦労します。
特に、当ブログでも何回も言ってますが、ウオッカとダイワスカーレットの叩きあいが印象的だった天皇賞秋は2008年のベストバウトであり、10年後、20年後も語り継がれるレースだと思います。そして、年末最後の有馬記念でのダイワスカーレットの圧勝。まさに牡馬たちを完膚なきまでに叩きのめしたレースでした。騎乗含め完璧でしたね。年度代表馬はウオッカに譲ると思いますが(GI2勝、2着1回してるので)、「最強」の馬はダイワスカーレットだと思います。
個人的に、ダイワスカーレットはフィギュアの浅田真央とかぶるんですよね。他者を気にせず、自身のベストが出れば結果に結びつくと考えている「天才」。最近の若手プロスポーツ選手に増えてきたような気がします。間違いなく競馬史上に残る「名馬」。今年は海外を見据えると言うことですし、ウオッカとの直接対決は該当レースが合致しなさそうなので(あえて言えば凱旋門賞前の宝塚記念?)難しいかもしれませんが、2009年もダイワスカーレットに要注目です。
2009年の古馬戦線は、メイショウサムソンの引退によりちょっと寂しくなる感じがします。4歳勢に期待ですかね。
個人的に注目したいのがダート戦線。昨年のカネヒキリの復活により、ヴァーミリアンとの2強時代に突入しました。ディープインパクト世代である現7歳世代。7歳とはいえまだまだ現役。この7歳世代に、サクセスブロッケンはじめ4歳世代がどれだけ追いつけるか、またスーニはじめ3歳世代がどれだけの実力を持っているのか、非常に興味深いです。
2008年クラシック戦線
牡馬牝馬クラシック3冠とも勝ち馬が違うという大混戦だった2008年クラシック戦線。牡馬で一歩抜き出ているのはディープスカイでした。NHKマイルとダービーの2冠を制した後、天皇賞秋、JCともに3着と古馬の一線級に対し好成績を残しています。府中巧者というイメージがあり、春のG1シーズンでのローテーションが気になるところですが、古馬の牡馬戦線はこの馬を中心に動いていくのではとにらんでいます。
一方、牝馬は大混戦。クラシックを勝った馬でも次のレース惨敗と、波が激しいというより実力が紙一重なのでしょう。最優秀3歳牝馬がどの馬か、と言うのが気になりますが、おそらくエリザベス女王杯でカワカミプリンセスを破ったリトルアマポーラかと。しかしながら今年の3歳牝馬に強いのがいますので、古馬牝馬路線もまた混戦模様かと思います。
2008年2歳馬戦線
これはもう、「さとう珠緒大勝利ー!」といった感じでしょうか(笑)。*1
逆算するとシーザリオ、インティライミの年。いい牝馬の種付けがあったのか、スペシャルウィーク産駒がブレイク中です。
牝馬はブエナビスタが頭二つ抜けてますね。ダービーに向かうとか言い出さなければ牝馬3冠は堅い。ただし阪神JFのタイムは例年より2秒ほど遅いので高速馬場のときにどうなるか注目です。
牡馬はリーチザクラウンの1強かと思いきや、ラジオNIKKEIでロジユニヴァースに完敗。牡馬はロジユニヴァース中心に動きそうです。しかしながらネオユニヴァースは早熟のイメージもあり、成長力がどうなのかチェックした方がいいですね。けっこうダービー向きの馬もいますので、意外と混線かと。
年明けデビューの大物(フォゲッタブル、タクティクス)もいますし、トライアルから要注目です。
2009年のGIを予想する
昨年はクラシックのみでしたが、今年は一気に来年のGIの勝ち馬全てを予想してみます。
GI予想のときは本命にしないかもしれませんが(笑)、まあ、ご愛嬌ということで。。。
フェブラリーS カネヒキリ
高松宮記念 スリープレスナイト
桜花賞 ブエナビスタ
皐月賞 セイウンワンダー
天皇賞(春) スクリーンヒーロー
NHKマイル フィフスペトル
ヴィクトリアマイル ウオッカ
オークス ブエナビスタ
ダービー タクティクス
安田記念 ウオッカ
宝塚記念 ダイワスカーレット
スプリンターズS ファリダット
秋華賞 ブエナビスタ
菊花賞 夏の上がり馬(ダンスインザダーク産駒)
天皇賞(秋) ディープスカイ
エリザベス女王杯 リトルアマポーラ
マイルCS ファリダット
ジャパンカップ ジャガーメイル
ジャパンカップダート カネヒキリ
阪神JF アグネスタキオン産駒
朝日杯FS クロフネ産駒
有馬記念 ダイワスカーレット
今年の年末はこの予想を肴に良いお酒が飲めるようしっかり予想していきます。それでは今年も、良い競馬ライフを。
*1:毎年POG赤本でさとう珠緒はスペシャルウィーク産駒のみ指名しています。ただ、ブエナビスタやトゥリオンファーレは他の人にとられています。リーチザクラウンはとってます。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月5日 20時53分
[アイヨシ][雑文]失敗から経験値が得られるRPG
●失敗のみを経験値としたRPGを作りたい - さまざまなめりっと - はてなグループ::ついったー部
失敗のみではありませんけど、失敗によって経験値が得られるRPGとして連想されるのが、TRPG(参考:テーブルトークRPG - Wikipedia)ですが、ソード・ワールドのゲームシステムです。
ソード・ワールドでは成功判定(ロール)を2つの六面ダイスを振る(=2D6)ことで行なうのですが、このとき、2つのサイコロとも1が出たとき(=1ゾロ)には自動的に失敗(ファンブル)したものとみなされます。確率的には36分の1なので、そんなに起こることではありませんが、このときキャラクターに経験値が与えられます。
失敗で経験値が得られると聞くと変に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、普通の失敗ではなくて自動失敗(大失敗)なのがポイントです。失敗から経験を積むことだってあるわけですから、十分に合理的なシステムだと思います。
その昔に私たちがやりこんだソード・ワールド1.0の場合ですと、1ゾロで得られる経験値は10点でした。しかし、新たに発表されたソード・ワールド2.0では50点になっています。これは、安い技能なら500点で1レベル習得できることを考えるとかなりお得な気がします。普通は悲しいはずの失敗ですが、この恩恵によって落ち込むことなくゲームを続けることができるのが嬉しいです。もちろん、命があればの話ですが(笑)。
1ゾロの影響はケースバイケースですが、やはり戦闘で自動失敗が出るとかなり痛いです。防御判定で自動失敗すると致命的ですし、また、回復魔法での失敗となると魔法の対象となるはずだった瀕死のキャラにとっては笑い事じゃありません。そうした他人の不幸で経験値を得るような事態も結構ありますし、場合によってはパーティ全体の行動が行き詰ることもありますから、1ゾロで経験値を得て喜ぶのは不謹慎なように思われるかもしれません。
しかし、実際にやってみると1ゾロの喜びというのは割りとプレイヤー全体に共感されやすいです。なぜなら、程度の差こそあれ、やはり失敗というのは全員につきものだからです。TRPGの場合には、その”つきもの”というのがサイコロによる運・不運で表現されていることになりますが、サイコロの目に文句をいっても仕方がありませんしね。
また、1ゾロの失敗を羨ましいと思うプレイヤーは、そのチャンスを得るために積極的に成功判定を行なうような行動をとらなくてはなりません。つまり、積極的にゲームに参加することになるわけです。これはゲームの雰囲気を考えると決して悪いことではありません。
ちなみに、ソード・ワールドにおいて経験値を得る一番の方法はシナリオ(≒ミッション)のクリアです。コンピュータ・ゲームの場合には目標設定はどうしても画一的にするしかありませんが、TRPGの場合だとかなり流動的に設定することができます。一義的な目標設定をプレイヤーに提示しながらも、展開によっては不達成に思えるような結末を迎えても達成したのと同等の経験値を与えるのもありです(その反対に、一見すると達成したように思える場合でも不達成とみなすことも可能)。この辺りはマスターの裁量や技量・プレイヤーとの信頼関係ということになってきますが、こうした柔軟なプレイが楽しめるのがTRPGの面白さだといえるでしょうね。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月9日 14時44分
[アイヨシ][プチ書評]『シンギュラリティ・スカイ』(チャールズ・ストロス/ハヤカワ文庫)
- 作者: チャールズストロス, Charles Stross, 金子浩
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/06
- メディア: 文庫
――(会場からの質問)シンギュラリティについてどう思いますか? 信じていますか。
チャン いや、信じていません。シンギュラリティはどちらかというと宗教的信念のようなものです。シンギュラリティについて物語を書くのは悪いことではないし、確かに面白いことだとも思います。しかし、多くの人はシンギュラリティが科学的事実であり、すぐにでも実現するかのように話していますが、僕はそういうふうにはまったく考えていません。
(『S-Fマガジン』2008年1月号「デッド・チャン・インタビュウ」p44より)
「シンギュラリティって何?」というようなことがふと気になりまして、そしたら本書のタイトルが目に付いたので試しに読んでみたという次第ですが、読んだら余計によく分からなくなりました(笑)。
シンギュラリティとは、技術的特異点(参考:技術的特異点 - Wikipedia)、あるいはコンピューターの知能が人間を超える現象、またはその瞬間を意味する言葉などとされていますが、本書においては、シンギュラリティが如何にして発生したか? という点はすっ飛ばされてしまっていて(そこが知りたいのに…)、シンギュラリティがすでに実現した状態で物語が始まっています。その意味で片手落ちの感は否めません。しかし、考える材料としては実に魅力的でした。
上記の「考える材料」という表現は、褒め言葉半分・貶し言葉半分の微妙なニュアンスを私としては込めています。解説抜きで536頁という分量の中には、専門用語や造語がふんだんに用いられたシンギュラリティの世界が程よくシステマティックに描かれています。しかしながら、そこで描かれているのはあくまでも人間の物語です。主役であるマーティンとレイチェルのコンビの他にも個性的な人物(人物?)が脇を固めています。ただ、そうした人間たちの物語だけを取り出してしまうと、とてもじゃないですが500頁超の分量に見合うだけのストーリーだとはいえません。主人公たち周辺のドラマにのみ着目して読めば、おそらくあっという間に読めてしまうでしょう。なので、物語を読みたい人にとってはかなり無駄の多い構成なのは否めません。読む人を選ぶ本であろうことは予めお断りしておきます。
超光速航法と超光速通信が実現した社会。そんな宇宙を背景として描かれている国家のあり方は、現実のデフォルメ、もしくはパロディめいた様相を呈しています。それによって、現実の国際情勢から離れて、国家間のあり方や国家と個人の関係を問い直すことができます。まさにフィクションの正統的役割だといえるでしょう。物語の最後の方で語られる新共和国と国連の関係は政治臭がして苦手に思われる方もいらっしゃるかもしれません(苦笑)。ただ、こうした考え方はアメリカとかなら鮮烈なものとして受け取られるのかもしれませんが、日本人的SF読みとしては何も熱弁を振るったり、改めて説明しなければならないもののようには思えませんでした。
寓意に満ちた物語でありながらも、その背景には超AIと超情報ネットワークというSF的モデルが横たわっています。そんなシンギュラリティな世界を生きる人間たちの物語。オススメとはいえませんが、意欲作として評価するにはやぶさかではありません。興味のある方はぜひ。
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/11/24
- メディア: 雑誌
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月8日 14時33分
[アイヨシ][マンガ]『美味しんぼ』と『築地魚河岸三代目』を比較してみる。
年末年始は実家に帰省していましたが、田舎では特にやることもなかったので、それなりに巻数が揃ってた*1『美味しんぼ』(作:雁屋哲・画:花咲アキラ/小学館)と『築地魚河岸三代目』(作:鍋島雅治・画:はしもとみつお/小学館)という2つのグルメ漫画を読んで暇つぶしをしてました。で、両者を読み比べると気になる点がいくつかありましたので、それをいくつか紹介してみたいと思います。
秋刀魚について
『美味しんぼ』14巻収録の第7話「秋刀魚の味」では、富井副部長*2がスダチを持ってきたことからスダチの使い方が話題になって、この季節(=秋)ならサンマだろうということになります。ところが、そこにやってきたブラックさんは、サンマの味のよさがちっとも分からないと山岡に相談してきます。その山岡と栗田も、
「いや、待てよ…… ここ数年、俺自身サンマを旨いと思ったことがないな。」
「そう言えば、私の家でもサンマが食卓に出ると、祖母や父が美味しくないって文句を言うわ。」
(『美味しんぼ』14巻p133より)
と、秋の魚として知られるサンマの旬の味が否定されています(笑)。
対して、『築地魚河岸三代目』7巻にも「築地のサンマ」というサンマのお話がありまして、やはり秋の魚としてサンマが話題になるのですが、そちらですと、
「最近のサンマはマズくなったと言う人がいますがそれは誤解でしょう。焼き方の問題なのではないかと思います。」
「焼く前にちゃんと塩をして15分ほど置く事をしなかったり、住宅事情などで昔ながらの焼き方ができなくなったり美味しい焼き方を知らなかったりする… そのせいでマズくなったと誤解されてるんじゃないでしょうか……」
(『築地魚河岸三代目』7巻p166より)
「サンマは冷凍しても見かけも味もあまり変わらない冷凍向きのありがたい魚だと言われています。だから一年前のヒネ物…つまり冷凍しておいた物を解凍したいわゆる冷凍サンマは一年中食べる事ができますし、塩焼きなら十分に美味しいのですが……刺身は生サンマでしかできません。まさに今が旬ですね。」
(『築地魚河岸三代目』7巻p169より)
と真っ向から対立する見解が主張されています。いいですねぇ。私はこういうの大好きです(笑)。
干物について
『美味しんぼ』29巻収録の第2話「天日の贈り物」では干物の作り方が話題になっています。猫のエサに干物を食べさせるというとんでもない話ですが(笑)、山岡によりますと、
「干物は魚を単に乾燥させればよいというものではない。天日で乾燥するのには意味がある。」
「太陽の光線は蛋白質が分解して、旨味成分であるアミノ酸を出すのを助長する。香りも格段によくなる。」
「乾燥機は水分を取り去るのが主で、太陽光線のような風味をよくする働きはない。」
(『美味しんぼ』29巻p43より)
というように、タイトルどおり天日に当てることの重要性が説かれています。
対して、『築地魚河岸三代目』11巻にも「手塩にかけた干物」というお話があります。それによりますと、
「科学的には天日乾燥も機械乾燥も干物に与える効果はほとんど変わらないそうです。イメージの問題が大きいのではないでしょうか。」
「それに、干物を干すのにもっとも大事なのは「風」だと、ワシは思っています。」
「風?!」
「ええ。あてる風の強さと温度によって仕上がりがまるで違うんです。」
(『築地魚河岸三代目』11巻p182より)
ということで、天日はさほど重要ではない模様です。いいよいいよ〜(笑)。
寿司ネタとしてのウニについて
『美味しんぼ』69巻収録の第3話「寿司に求めるもの」では、寿司ネタとしてウニが話題になっています。海原雄山を尊敬している平月という寿司職人が京極さんを通して海原雄山を客に迎えます。海原雄山はウニを注文しますが、雄山はウニの寿司を一目見ただけで食べもせずに店を出てしまいます。困った寿司職人は岡星さんを通じて山岡に相談します。酢飯も海苔も完璧。ウニも利尻で最高の値が付いたものを寿司職人は用意します。しかし山岡もやはり見ただけでその寿司に駄目出しをします。
「やかましい寿司屋がウニを使わないのは、握れないものは握らないということがひとつ。」
「そしてもうひとつ決定的なのは、よそで他人がおろしたネタは使わないという、原則を守るためだ。」
(『美味しんぼ』69巻p110より)
ということで、処理済の箱ウニを完全否定して生きウニを使う必要性を説きます。
対して、『築地魚河岸三代目』10巻にも寿司ネタとしてのウニをテーマにした「箱入りの白ウニ」というお話があります。それによりますと、
「たくさんの生きウニを開けてみて分かったのは、やはり一個一個に相当の個体差がある事です。」
「とても箱ウニのように一定の高いレベルを揃えるのは不可能です。」
(『築地魚河岸三代目』10巻p68より)
などの他いくつかの理由から、寿司ネタとしての生きウニが否定され、箱ウニのすばらしさが証明されています。実に面白いです(笑)。ちなみに、『築地魚河岸三代目』では16巻でもウニがテーマのお話がありますので、興味のある方はそちらもぜひ読んでみてください。
以上、探せば他にもあるかもしれませんが、私の実家に揃っている巻数ではこんな感じでした(詳しいことを知りたい方は必ず漫画の方を読んでくださいね)。
これらの主張のどちらが正しいのかは私には分かりません*3。ただ、どちらが正しいのか、という視点にはあまり意味がないようにも思います。食材の価値は科学技術の進歩や環境の変化に左右されます*4。ゆえに、その点で先発の『美味しんぼ』より後発の『魚河岸』が有利なのは否めませんし、あるいはその当時はそれが正しかったのかもしれません。なので、常に上書きに上書きを重ねる姿勢がグルメ漫画には必要だと思うのです。また、箱ウニの場合には、『美味しんぼ』では主にホウ酸処理に焦点が当てられているのに対し、『魚河岸』では主にミョウバンに焦点が当てられています。そうした着眼点の違いも考慮する必要があるでしょう。
いずれにしましても、料理の味について結局は自分の舌を信じるしかありませんし、それを裏付ける情報についても自分のリテラシーを信じるしかありません。ということで、今回取り上げたようなことについて興味のある方は、ぜひご自分でいろいろと調べてみて、私にいろいろと教えてくださいませ(笑)。
【おまけ】
ちなみに、『魚河岸』16巻には天然出汁と旨味調味料のお話があるのですが、
「昔は化学調味料と言ってたが最近は旨味調味料と言うようになった…」
(『築地魚河岸三代目』16巻p40より)
と書いてあって、そのときは「ふ〜ん」と思っただけでした。しかし、ネットサーフィンしてましたら、テレビ大阪「美味しんぼ(再)」にて言葉狩り 化学調味料の”化学”部分が無音にという記事を発見。まさか放送禁止用語になってるとは思いもしませんでした。科学技術の進歩や環境の変化だけでなく、言葉の変化にも対応しなければならないんですから、グルメ漫画を描くのも大変ですね……。
*1:全巻ではありません。特に最近のものはありません。
*2:当時。
*3:ウニの食べ比べなんて贅沢なこと私にはできません(涙)。
*4:例えば冷凍技術など。『美味しんぼ』の場合でも、初期は冷凍物には冷たい感じがありましたが、その後はかなり冷凍技術の進歩というものを認めるようになってきていると思います。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月7日 8時9分
[フジモリ][バクマン][マンガ]『バクマン。』と『DEATH NOTE』を比較して語る物語の「テンポ」と「密度」
ようやく単行本化されました大場つぐみ・小畑健版「まんが道」こと『バクマン。』第1巻。非常に面白かったです。
単行本で読むと非常にテンポが良く、1巻の最後ではすでに持ち込み用原稿を描くなど、
「漫画家になりたい少年」の話を描きたかったのではなくて、あくまでも「漫画家」を描きたかった(QuinckJapan2008年12月号P56、担当編集相田聡一インタビューより)
という原作者・大場つぐみの思いが伝わってきます。
このQuickJapanの担当編集インタビューで、大場・小畑コンビの前作『DEATH NOTE』を引き合いに出し、『バクマン。』の展開の速さ、密度の濃さについて話をしていましたので、ふと興味が湧いて両者の1巻の進行度を比較してみることにしました。どちらも1巻は7話まで収録していまので、1巻の時点での「物語の展開」を比較する目安となるかと思います。
第1話
『DEATH NOTE』の第一話では、人間界に退屈した夜神月と死神界に退屈したリュークとの邂逅が描かれています。一方、『バクマン。』でも
つまらない未来
生きていることは面倒くさい(『バクマン。』1巻P11)
と人生を斜に構える主人公・真城最高と高木秋人との邂逅を描いています。月は1話の最後で「新世界の神になる」と宣言し、最高は「漫画家になる」と宣言。1話にして主人公たちの目的や出会いを詰め込んでいます。
第2話・第3話
『DEATH NOTE』の第2話ではラスボス(笑)である「L」が登場します。「L」が月こと「キラ」を探し出すのが先か、キラがLを殺すのが先か。この漫画における、「勝利条件」が明示されました。
『バクマン。』第2話では最高と秋人、そしてヒロイン亜豆のキャラを掘り下げていきます。キャラ説明で終わりかと思いきや、「漫画家になる」ことを家族に認めさせるというイベントが発生します。第三話で叔父の仕事場を引き継ぎ、漫画家への決意をあらたにします。
一方、『DEATH NOTE』第3話では警察庁刑事局局長である月の父親が登場。
下手を打てば…
キラは…
自分の家族を殺すことになる(『DEATH NOTE』1巻P109)
と、同じ「家族」を描きながらも自身の目的のためなら家族を殺すことを厭わない月(=キラ)の決意を浮かび上がらせます。
第4話・第5話
『バクマン。』第4話では最高の叔父と亜豆の母との関係について描かれています。二人の恋の行方を知り、最高は「漫画家になる」という夢へのモチベーションをアップさせます。そして第五話では夢に向かって努力する様子をこれまた丁寧に描き込み、「夢を叶えるための手法(この場合「漫画の描き方」)」について筆を割いています。
一方『DEATH NOTE』では第4話で月の持つ「デスノート」をいかに隠すかに筆が割かれ、第5話では「死神の目」というルールが新たに提示されます。こじつけかもしれませんが、ある意味、これも「夢を叶えるための手法」の提示と言えましょう。
『バクマン。』第5話の最後で新妻エイジが登場。ただし、『DEATH NOTE』と異なり彼は「倒すべき敵」ではありません。小ボスを倒しながら「L」を倒すという目標がある『DEATH NOTE』と、「まんが道に終わりはない」、つまり倒すべき敵のいない『バクマン。』との大きな差異点であると思います。
第6話・第7話
『バクマン。』第6話では新妻エイジのキャラを読者に印象付けるのと同時に、「漫画家になる」ための重要項である「編集」について語られます。ジャンプ編集部に持っていくための原稿を描く二人。第七話の最後、つまり1巻の最後では出来た原稿をジャンプ編集部に持って行くところで終わります。2巻ではいよいよ最高と秋人が編集との出会いを通じ「夢=漫画家」への階段を上っていきます。
『DEATH NOTE』第6話ではまたもや「デスノート」の新たなルールについての提示があります。このルールをもとに、第7話では月を尾行するレイ・ペンパーの本名を探ります。これで1巻が終わり。2巻ではいよいよ月が「犯罪者」以外への殺人を通じ「夢=新世界の神」への階段を上っていきます。
・・・とまあ、一部強引なコジツケはありましたが、主人公のパートナーとの出会いと目的(夢)を提示し、夢に向かう手法を提示しながら1巻の終わりでは2巻への新たなステップを予感させる、と『DEATH NOTE』『バクマン。』と同じような展開の速さ、密度の濃さを構成していることが感じ取れます。
同じくQuinckJapan2008年12月号の担当編集相田聡一インタビューで、
ただ、漫画は展開が早い方が面白い、というのは100%正しいと思う。『DEATH NOTE』の時もそうでしたが、たらたら展開を引き伸ばしてやるよりも、ぽんぽん先に進む、かつ密度が濃いものの方が面白いに決まっている。面白いものが、より面白くなっていく状況を止めてまで、展開を引き伸ばす必要はないですから。(P56)
と語っています。展開の速さと密度の濃さによる面白さの加速というのは『DEATH NOTE』で充分に感じましたが、『バクマン。』もまた同様かもしれません。
『バクマン。』が今後どういう展開になっていくのか。一読者として次巻(およびジャンプ)を楽しみに待ちたいと思います。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月6日 8時36分
[フジモリ][プチ予想][競馬]京都金杯予想
一年の計は金杯にあり再び。
■京都金杯
◎バトルバニヤン
○アドマイヤスバル
▲ファリダット
スポニチ杯なのでスポニチ大阪本命のバトルバニヤンを無条件に本命(笑)。京都実績もある。
史上初の東西金杯制覇を狙う川田騎乗のアドマイヤスバルが対抗。
マイル延長が気になるがそろそろ重賞をとってもよいだろうファリダットをおさえに。
それでは、今年も宜しくお願いします。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月4日 22時28分
[フジモリ]号外さんちゃ0291号
あらためてあけましておめでとうございます。
年末年始は落ち着いてPCに向き合う時間が無かったので、今日が「書き初め」といったところでしょうか(←うまいこといったつもり)。
アイヨシも年末に書いていましたが、2008年は当ブログで取り上げていた『ハチワンダイバー』や『図書館戦争』などがドラマ化、アニメ化され、一昨年以上にご来訪が多かった一年でした。一応、当サイトは書評サイトと謳っておりまして、その地道なプロパガンダの成果か(笑)書評サイトとして皆様からもご支援いただいている状況です。
2009年も現状維持を目標に、アイヨシの言葉を借りるならば「基礎体力を持ちながらも他には無い視点からの切り口にこだわった記事」をご提供し、皆様に楽しんでいただければと考えています。
それでは、2009年も宜しくお願いいたします。(ふかぶか)
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月5日 11時11分
[フジモリ][競馬]2008年の競馬をふりかえる
年が明けまして早速金杯スタートと競馬ファンには慌しい1年が始まりましたが、忘れないうちに2008年を振り返ってみたいと思います。
まあ当ブログではニーズがないかもしれませんが、趣味の世界ということでご容赦を。
2008年古馬戦線
とにかく、牝馬の年。これにつきます。しかも4歳牝馬。
牡牝混合のGIで、ウオッカ(安田記念、天皇賞秋)、スリープレスナイト(スプリンターズS)、ブルーメンブラッド(マイルCS)、ダイワスカーレット(有馬記念)と牡馬が勝ったGIを思い出すだけでも苦労します。
特に、当ブログでも何回も言ってますが、ウオッカとダイワスカーレットの叩きあいが印象的だった天皇賞秋は2008年のベストバウトであり、10年後、20年後も語り継がれるレースだと思います。そして、年末最後の有馬記念でのダイワスカーレットの圧勝。まさに牡馬たちを完膚なきまでに叩きのめしたレースでした。騎乗含め完璧でしたね。年度代表馬はウオッカに譲ると思いますが(GI2勝、2着1回してるので)、「最強」の馬はダイワスカーレットだと思います。
個人的に、ダイワスカーレットはフィギュアの浅田真央とかぶるんですよね。他者を気にせず、自身のベストが出れば結果に結びつくと考えている「天才」。最近の若手プロスポーツ選手に増えてきたような気がします。間違いなく競馬史上に残る「名馬」。今年は海外を見据えると言うことですし、ウオッカとの直接対決は該当レースが合致しなさそうなので(あえて言えば凱旋門賞前の宝塚記念?)難しいかもしれませんが、2009年もダイワスカーレットに要注目です。
2009年の古馬戦線は、メイショウサムソンの引退によりちょっと寂しくなる感じがします。4歳勢に期待ですかね。
個人的に注目したいのがダート戦線。昨年のカネヒキリの復活により、ヴァーミリアンとの2強時代に突入しました。ディープインパクト世代である現7歳世代。7歳とはいえまだまだ現役。この7歳世代に、サクセスブロッケンはじめ4歳世代がどれだけ追いつけるか、またスーニはじめ3歳世代がどれだけの実力を持っているのか、非常に興味深いです。
2008年クラシック戦線
牡馬牝馬クラシック3冠とも勝ち馬が違うという大混戦だった2008年クラシック戦線。牡馬で一歩抜き出ているのはディープスカイでした。NHKマイルとダービーの2冠を制した後、天皇賞秋、JCともに3着と古馬の一線級に対し好成績を残しています。府中巧者というイメージがあり、春のG1シーズンでのローテーションが気になるところですが、古馬の牡馬戦線はこの馬を中心に動いていくのではとにらんでいます。
一方、牝馬は大混戦。クラシックを勝った馬でも次のレース惨敗と、波が激しいというより実力が紙一重なのでしょう。最優秀3歳牝馬がどの馬か、と言うのが気になりますが、おそらくエリザベス女王杯でカワカミプリンセスを破ったリトルアマポーラかと。しかしながら今年の3歳牝馬に強いのがいますので、古馬牝馬路線もまた混戦模様かと思います。
2008年2歳馬戦線
これはもう、「さとう珠緒大勝利ー!」といった感じでしょうか(笑)。*1
逆算するとシーザリオ、インティライミの年。いい牝馬の種付けがあったのか、スペシャルウィーク産駒がブレイク中です。
牝馬はブエナビスタが頭二つ抜けてますね。ダービーに向かうとか言い出さなければ牝馬3冠は堅い。ただし阪神JFのタイムは例年より2秒ほど遅いので高速馬場のときにどうなるか注目です。
牡馬はリーチザクラウンの1強かと思いきや、ラジオNIKKEIでロジユニヴァースに完敗。牡馬はロジユニヴァース中心に動きそうです。しかしながらネオユニヴァースは早熟のイメージもあり、成長力がどうなのかチェックした方がいいですね。けっこうダービー向きの馬もいますので、意外と混線かと。
年明けデビューの大物(フォゲッタブル、タクティクス)もいますし、トライアルから要注目です。
2009年のGIを予想する
昨年はクラシックのみでしたが、今年は一気に来年のGIの勝ち馬全てを予想してみます。
GI予想のときは本命にしないかもしれませんが(笑)、まあ、ご愛嬌ということで。。。
フェブラリーS カネヒキリ
高松宮記念 スリープレスナイト
桜花賞 ブエナビスタ
皐月賞 セイウンワンダー
天皇賞(春) スクリーンヒーロー
NHKマイル フィフスペトル
ヴィクトリアマイル ウオッカ
オークス ブエナビスタ
ダービー タクティクス
安田記念 ウオッカ
宝塚記念 ダイワスカーレット
スプリンターズS ファリダット
秋華賞 ブエナビスタ
菊花賞 夏の上がり馬(ダンスインザダーク産駒)
天皇賞(秋) ディープスカイ
エリザベス女王杯 リトルアマポーラ
マイルCS ファリダット
ジャパンカップ ジャガーメイル
ジャパンカップダート カネヒキリ
阪神JF アグネスタキオン産駒
朝日杯FS クロフネ産駒
有馬記念 ダイワスカーレット
今年の年末はこの予想を肴に良いお酒が飲めるようしっかり予想していきます。それでは今年も、良い競馬ライフを。
*1:毎年POG赤本でさとう珠緒はスペシャルウィーク産駒のみ指名しています。ただ、ブエナビスタやトゥリオンファーレは他の人にとられています。リーチザクラウンはとってます。
作者:sangencyaya
更新日:2009年1月5日 11時53分






